こんにちは。永沢デンタルクリニック院長の永沢です。
今回は、妊婦さんの歯科治療について詳しくお話しさせていただきます。
*** もくじ ***
1. はじめに – 妊娠中の歯科治療の重要性
2. 妊娠中に起こりやすい歯のトラブル
3. 妊婦さんの歯科治療で気をつけること
4. 妊婦さん向け治療方針
5. 治療時期による注意点
6. 自宅でできる予防ケア
7. まとめ – 安心して受診していただくために
1.はじめに – 妊娠中の歯科治療の重要性
妊娠中は、体のさまざまな変化とともに、お口の中の環境も大きく変化します。ホルモンバランスの変化や、つわりによる歯磨きの困難さなどから、歯周病や虫歯のリスクが高まる時期でもあります。
実は、歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高めるという研究結果も報告されています。そのため、妊娠中の歯科ケアは、お母さんの健康だけでなく、赤ちゃんの健康にも深く関わる大切な要素なのです。
2.妊娠中に起こりやすい歯のトラブル
3.妊婦さんの歯科治療で気をつけること
妊娠中は特に以下のような歯のトラブルに注意が必要です
・妊娠性歯肉炎
ホルモンバランスの変化により、歯茎が腫れやすく、出血しやすくなります。特に妊娠3~8ヶ月の方に多く見られます。
・つわりによる虫歯リスクの上昇
吐き気による胃酸の逆流や、歯磨きが困難になることで、虫歯になりやすい環境が作られます。
・唾液の性質の変化
妊娠中は唾液の酸性度が変化し、虫歯菌が増殖しやすい環境になることがあります。
4.妊婦さん向け治療方針
当院では、妊婦さんの歯科治療において、以下のような方針で対応しています
・予約時の配慮
つわりの状態や体調に合わせて、柔軟に予約時間を調整します。
・ 丁寧な問診と説明
かかりつけの産婦人科医との連携を含め、安全な治療計画を立てます。
・ リラックスできる環境作り
待合室での快適な空間確保や、診療時間の調整など、ストレスフリーな環境づくりを心がけています。
5.治療時期による注意点
妊娠期間中の治療タイミングは、お母さんと赤ちゃんの安全を第一に考え、慎重に選ぶ必要があります。
妊娠初期(妊娠1-3ヶ月)は、赤ちゃんの重要な器官が形成される大切な時期です。この時期は、つわりによる体調不良も重なることが多く、また胎児の器官形成に影響を与えるリスクを最小限に抑えるため、緊急性の高い治療を除き、できるだけ治療を控えめにすることをお勧めしています。痛みや腫れなど、緊急性の高い症状がある場合は、かかりつけの産婦人科医と連携を取りながら、必要最小限の治療を行います。
妊娠中期(妊娠4-7ヶ月)は、一般的に妊婦さんの体調が最も安定する時期です。つわりの症状も落ち着き、お腹も比較的小さいため、歯科治療の最適期間とされています。この時期には、虫歯の治療や歯石除去、歯周病のケアなど、必要な治療を計画的に進めることができます。ただし、治療内容や方法については、妊婦さんの体調や歯の状態を十分に考慮した上で、個別に検討させていただきます。
妊娠後期(妊娠8-9ヶ月)になると、お腹が大きくなることで診療台に長時間横たわることが困難になってきます。また、急な陣痛の可能性もあるため、この時期は長時間の治療は避け、応急処置や短時間で終わる治療を優先します。診療中は、こまめに体調確認を行い、必要に応じて休憩を取り入れながら、リラックスして治療を受けていただけるよう配慮いたします。特に仰向けの姿勢による負担を軽減するため、診療台の角度調整の配慮など、できる限り快適な状態で治療が受けられるよう工夫しています。
また、すべての期間を通して、レントゲン撮影や麻酔、投薬などが必要な場合は、妊婦さんに安全な方法や薬剤を選択し、産婦人科医との連携のもと、慎重に対応させていただきます。定期的な検診や予防ケアは、妊娠中でも安全に受けていただくことができますので、お口の健康維持のために、ぜひご活用ください。
6.自宅でできる予防ケア
妊娠中のお口のケアは、ご自宅での日々の取り組みが特に重要になってきます。まず基本となるのが歯磨きですが、妊娠中は歯肉が敏感になっているため、やわらかめの歯ブラシを選び、優しく丁寧に磨くことをお勧めします。つわりで歯磨きが辛い時期は、無理に朝一番での歯磨きにこだわる必要はありません。気分の落ち着いた時間帯に変更したり、歯磨きを数回に分けて行ったりするなど、ご自身の体調に合わせて工夫してください。
また、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用することで、歯ブラシだけでは届きにくい部分の歯垢も効果的に除去することができます。特に妊娠中は、歯周病予防の観点からも、これらの補助的清掃用具の使用が望ましいです。
食事面での工夫も大切です。妊娠中は様々な栄養素が必要になりますが、特にカルシウムやビタミンC、ビタミンDは、歯の健康維持に重要な栄養素です。乳製品、緑黄色野菜、魚類などをバランスよく摂取することをお勧めします。間食については、完全な制限は必要ありませんが、甘いお菓子を食べる際は食後のデザートとして楽しむなど、食べるタイミングを工夫することで、虫歯予防につながります。
さらに、妊娠中は適切な水分補給が欠かせません。水やお茶などの飲水は、お口の中の細菌を洗い流し、唾液の分泌を促す効果があります。特に食後や間食後に水で軽くうがいをする習慣をつけることで、お口の中を清潔に保つことができます。また、唾液には自浄作用や抗菌作用があるため、適度な水分補給で口腔内を潤すことは、虫歯や歯周病の予防に効果的です。
これらのケアに加えて、就寝前の歯磨きは特に丁寧に行うことをお勧めします。寝ている間は唾液の分泌が減少するため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。可能であれば、歯磨き後は洗口液でのうがいを行うことで、より効果的な予防が期待できます。ただし、使用する洗口液は必ず妊婦さんでも安全な製品を選択してください。
7.まとめ – 安心して受診していただくために
妊娠中の歯科治療に不安を感じる方は多いと思います。しかし、適切な時期に必要な治療を受けることで、妊娠中もお口の健康を守ることができます。
当院では、妊婦さんお一人おひとりの状態に合わせた、安心・安全な治療を提供いたします。些細な不安や疑問でも、お気軽にご相談ください。
また、妊娠を計画されている方は、妊娠前の歯科検診もお勧めします。予防的な治療を行うことで、妊娠中の大きなトラブルを防ぐことができます。
私たち永沢デンタルクリニックは、これからも宮前平の皆様の歯の健康をサポートしてまいります。妊婦さんの歯科治療に関するご質問は、お電話やメールでも承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
・永沢デンタルクリニック
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