川崎市宮前平の歯医者、永沢デンタルクリニックです。
矯正治療は、開始する時期によって目的や治療方法が変わります。
子供の矯正は顎の成長を利用した治療が可能ですが、大人の矯正ではどのような矯正が行われるのでしょうか。
ここでは、大人の矯正についてとその注意点について解説します。
＊＊＊ もくじ ＊＊＊
1 | 矯正時期によって違う治療になる？
1-1 | Ⅰ期治療とは
1-2 | Ⅱ期治療とは
2 | 何歳まで矯正治療できる？
3 | 大人の矯正の注意点
3-1 | 歯周病に注意
3-2 | 矯正期間が長くなる可能性がある
【まとめ】
1 | 矯正時期によって違う治療になる？
1-1 | Ⅰ期治療とは
Ⅰ期治療とは、乳歯と永久歯が混在している6歳～12歳ごろに行う矯正治療です。
この時期の治療の目的は、顎の成長をコントロールし、永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保することです。
例えば、顎が小さくて歯が並ぶスペースが不足している場合、顎の成長を促す装置を使用してスペースを広げるなどの治療をします。
Ⅰ期治療を適切に行うことで、将来Ⅱ期治療が必要になった場合でも、治療期間の短縮ができる可能性があります。
1-2 | Ⅱ期治療とは
Ⅱ期治療は、永久歯が生え揃った後に行う矯正治療です。
顎の成長のピークが終わった12歳以降に開始され、歯並びの調整が目的となります。
この段階では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの装置を使用し、歯を動かします。
大人の治療もこのⅡ期治療と同じく、歯の位置を動かす治療となります。
12歳以降に顎自体の矯正が必要になった場合は、外科的矯正の適応となります。
2 | 何歳まで矯正治療できる？
矯正治療は、基本的に何歳からでも始めることができます。
ただし、大人になってから矯正を考える場合、歯周組織が健康であることが重要です。
歯周組織が健康であれば、何歳からでも治療は可能です。
年齢に伴う注意点を知って矯正治療の計画を立てるようにしましょう。
3 | 大人の矯正の注意点
3-1 | 歯槽骨の状態に注意
歯槽骨の状態は、大人の矯正治療において特に気を付けるポイントとなります。
歯周病がある場合、歯を支える歯槽骨が吸収しやすい状態になっているため、力がかかることで吸収が更に早まるリスクがあります。
その結果、歯がぐらついたり、脱落したりする可能性もあります。
また、元々歯槽骨が少ない場合も同様のリスクがあり、無理に歯を動かすと歯を支える力が不十分になり、歯が安定しにくくなることがあります。
そのため大人の矯正治療では、まず歯槽骨の健康状態をしっかりとチェックし、必要に応じて歯周病治療や骨の状態を改善する処置を行ったうえで矯正を始める必要があります。
3-2 | 矯正期間が長くなる可能性がある
大人の矯正治療では、歯の移動速度が遅くなる傾向があります。
子供の場合は代謝が活発で歯がスムーズに動きますが、大人の場合は骨のリモデリングが遅めで、比較的治療期間が長くなります。
3-3 | インプラントやブリッジに注意が必要
・インプラントがある場合
インプラントは顎の骨に固定されているため、通常の歯のように動かすことができません。
そのため、矯正治療を行う際に2本以上のインプラントがあると、矯正治療が受けられない可能性があります。
・ブリッジがある場合
ブリッジは、喪失歯の両隣の歯を支えにして固定されているため、自由に動かすことが難しいことがあります。
この場合、いったんブリッジを除去し、矯正治療後にブリッジの再作製が必要になることもあります。
【まとめ】
矯正治療は、開始する時期によって治療の目的や方法が異なります。
子供の矯正では顎の成長を利用したⅠ期治療と、永久歯が生え揃った後のⅡ期治療に分かれます。
大人の矯正治療はこのⅡ期治療と同じ方法で行われ、主に歯を移動させる治療となります。
何歳からでも矯正治療は可能ですが、歯周組織が健康であることが条件となります。
インプラントやブリッジがある場合も注意が必要で、歯科医師と十分に相談しながら進めることが大切です。
矯正治療は全身の健康にも良い影響を与えます。
年齢を理由に諦めず、まずは相談し、自分に合った治療計画を立てることをおすすめします。
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